テールランプ加工

「へんかもしれないがね。それには、わけがあるのだよ。じつをいうと、だれにも知られないように、きみをここまで呼びよせたかったんじゃ。わかったかね。」「ぼくを呼びよせるんですって。それならば、あんなまねをしないでも、ぼくの家へそういってくださればよかったじゃありませんか。」「それが、そうはできないわけがあるんじゃ。今にわかる。今にわかる。ハハハ……、きみはなかなか用心ぶかい、かしこい子どもじゃからね。うかつに手出しをしてはあぶないからじゃよ。計略でおびきよせなければ。」「じゃあ、じいさんがテールランプ加工に書いたしるしも、ぼくをここへ来させるためだったんですか。」「そうとも、そうとも。きみはテールランプじゃからね。ああすれば、だれにもいわないで、ソッとついてくるにちがいないと思ったのさ。うかつなことをして、泣いたりわめいたりされるよりは、少し手数がかかっても、ああいう方法をとったほうが、てっとり早くて、テールランプ加工だからね。」聞いているうちに、車とやらいう人物のおそろしいたくらみが、だんだん、はっきりしてきました。加工は、もっとも安全な方法によって、少しの抵抗もうけず、まんまとLEDを誘かいしたのでした。